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第2回「オンラインLIVEイベント」



2023年12月13日に(一社)全国介護事業者連絡会とのコラボレーションによる「オンラインLIVEイベント」を開催しました。
   診療報酬改定の前哨戦である医療費の総額について、医療費削減として本体部分をわずかプラス0.25%で主張した財務省に対して、厚労省・与党の折衝により、本体部分(人件費など)は0.88%のプラス改定となりました。医療業界と厚労省が主張した1%超には届かなかったものの、22年度の0.43%、20年度の0.55%を大幅に上回る水準となりました。
 しかし、医療費全体の予算は2016年以降連続5回のマイナスとなる見通しです。  そのような攻防が続くなか、国会閉会日の12月13日に合わせて〈第2回『オンラインLIVEイベント』〉を開催しました。
 今回は、「地域で看取るために必要なこと」をテーマに、自宅と病院、そして高齢者施設での終末期医療の現場と課題を共有しディスカッションしました。現場のリアルな現況を理解して頂くために厚生労働省からも4名の担当官がオンラインで陪席しました。
 その後のディスカッションには、文部科学副大臣(在宅医療推進議員連盟事務局長 医師)の今枝宗一郎代議士も加わりました。
 菅澤医師からは、往診での看取り率は悪性腫瘍は在宅/施設ともに87%、良性疾患では施設が72%と高くなる。在宅では家族の大きな負担のうえで看取りが成立していること、一方、施設の場合はターミナルケアに不慣れな施設や職員も多く医療者として苦慮することなどの報告がありました。そして、良性疾患では、状態悪化時には家族が不安や負担や治療への期待から入院を希望するケースが多くなることをご紹介頂きました。
 津田氏は、自宅での看取りを実現したくて起業したが、病院/施設ほどにすぐに駆けつけられないこと、看護師求人として時間外週末のオンコール勤務が難しい子育て世代が多いこと、などが共有されました。新たな試みとして、住宅型ホスピスを中心に地域に看護ステーションを設置してホスピスの当直看護師が臨時対応のサポートをするモデルの紹介がありました。
 渡辺氏は、施設で十分なホスピスケアを実現するために「大規模化で重度者対応」を目指していること、医療対応を強化するためスタッフの半数以上を看護師雇用としていることの紹介がありました。がんのターミナル期では、保険請求の看護師訪問回数上限の3回/日を大幅に超える10回以上/日となることが多く無償で対応していること、ALSなどの神経難病ターミナル期では20回以上/日となることの症例報告がありました。
 柴原氏は、自社のホスピスケア施設では毎月定員の25%が看取りと新規入所で入れ替わる状況で職員負荷がとても大きいこと、看取り率はほぼ100%に近いこと、透明性を高めるため訪問医は100%・ケアマネジャーも80%近くを外部へ依頼する体制を実現していることの紹介がありました。また、病院医療の過疎エリアでは自社のホスピス施設により看取りの救急搬送が大きく減少して救急医療に貢献していること、介護保険の対象外である40歳未満の非がん患者・AIDSなどのターミナル患者を積極的に受け入れる貢献をしていることなどの実例報告がありました。
 今枝宗一郎議員も加わったディスカッションでは、在宅医療/看護/介護分野での人材確保の難しさ、居宅への頻回の訪問看護の提供が移動時間の点で難しくて看取り時に「もう少し手厚くしてあげたかった」と感じること、などの話に及びました。医師からの患者家族への説明能力が重要で「不安を抱えさせてしまう」と心情として病院での看取りに傾きやすくことを菅澤医師がお話しされました。
 300名を超える皆様にご視聴いただき、今枝宗一郎議員から「コロナ禍でもしっかりと現場を支えてくださった医療介護従事者のためにも、心が折れるような報酬改定をしてはならない」との決意表明で閉会となりました。
 診療報酬/介護報酬の各項目の改訂や新設については、年明け以降に徐々にアウトラインが上がってきます。2024年以降の在宅医療の質と量が十分に確保できる改定となるように、注視して活動して参ります。


(一社)全国介護事業者連盟共催 第2回「オンラインLIVEイベント」開催概要

 
 開催日時:2023年12月13日 水曜日 18時00分~ 
 配信会場:全国町村会館2階 第1会議室 
 出 演 者 :在宅療養支援診療所   (医)元気会 わかさクリニック 副院長 菅澤 英一先生 
      訪問看護ステーション  (株)AT 代表 津田 篤志氏 
      ホスピスケア介護施設  ベストリハ(株) 代表 渡邉 仁氏 
                  (株)アンビスホールディングス 代表 柴原 慶一氏(医師) 
 テ ー マ:「地域で看取るために必要なこと」
 

  第2回「オンラインLIVEイベント」式次第

 
1. 開会の挨拶  
 
 在宅医療政治連盟 会長 島田 潔 
 
 
2. 共催団体の挨拶  
 
 (一社)全国介護事業者連盟 理事長 斉藤 正行 氏 
 
 
3. シンポジウム/ディスカッション   
 
 在宅療養支援診療所   (医)元気会 わかさクリニック 副院長 菅澤 英一先生 
 訪問看護ステーション  (株)AT 代表 津田 篤志氏 
 ホスピスケア介護施設  ベストリハ(株) 代表 渡邉 仁氏 
             (株)アンビスホールディングス 代表 柴原 慶一氏(医師) 
 
 
4. 特別ゲスト    
 
 今枝 宗一郎 衆議院議員  在宅医療推進議員連盟事務局長 
 
 
5. 質疑応答  
 
 セントラル薬局グループ 薬剤師 藤山 亮太 氏 
 
6. 役員紹介  
 
7. 閉会の挨拶  
 
 在宅医療政治連盟 会長 島田 潔 
 
 
 

  開催の模様(写真と動画)


 




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